足立東高等学校でのジンブンアトラスの実践
ワークショップを依頼する
開催日2023年2月13日
会場東京都立足立東高等学校
参加者足立東高等学校の生徒・教員 約20名
利用テクストゆざきさかおみ『作りたい女と食べたい女 1』第1巻冒頭(KADOKAWA、初出:ComicWalker)
WORKSHOP

足立東高等学校でのジンブンアトラスの実践

セクシュアリティ教育の一環として『作りたい女と食べたい女』を題材に、ジェンダーの気づきから問いを育てる。

東京都立足立東高等学校 堀越耀介(東京大学UTCP)

東京都立足立東高等学校の保健委員会「セクシュアリティ教育」の時間をいただき実施したジンブンアトラスです。講座名は「ちょっとだけ世界を変える ージンブン学をジブンごとにー」。 題材は、NHK「よるドラ」で実写化され反響を呼んだ漫画『作りたい女と食べたい女』の原作第1巻冒頭。主人公・野本さんが会社でお弁当を褒められた際の「自分のために好きでやってるもんを『全部男のため』に回収されるのつれ〜な〜……」というモノローグ場面を使い、ジェンダーロールやアンコンシャスバイアスに関する気づきを引き出しました。 漫画という媒体の特性上、人物の描かれ方・表象・擬音(オノマトペ)など多層的な要素から気軽に気づきを見つけやすく、セクシュアリティ教育の文脈を損なわずに問い立ての体験を提供できる構成としました。教室の出入り自由・お菓子OK・話したくなかったら話さなくてよい、という養護教諭の方々による心理的セーフティの場づくりが、自由な意見出しを支えました。

ワークショップの進め方

STEP 01

イントロダクション

どのような意図でジンブンアトラスを行うかを説明。学校で過ごす時間をすこし楽しくするために、「どうでもいいこと」よりも「自分にちょっと関係ありそうなこと=ジブンごと」を増やす手だてとして位置づける。

STEP 02

ジンブンアトラスの説明

気づきをシェアし、問いを深めるワークショップの進め方を説明。気づいたことは何でも付箋に書き出すこと、人の問いを否定しないことの重要性を伝える。

STEP 03

気づきを付箋に書き出す

3つのテーブルに分かれ、『作りたい女と食べたい女』を拡大印刷した用紙を囲んで、気になった言葉や表現に「気づき」の付箋を貼っていく。

STEP 04

追い付箋してみる

最初のテーブル以外に移動し、他の人が書いた付箋を眺めながら、“共感”や“ツッコミ”の付箋を追加していく。どこがなぜ気になったかという対話が、参加者間で自然と生まれる。

STEP 05

まとめ

今回のワークショップは、“ジンブン”することの第一歩であると伝える。気になったことを言語化し、問いを深め、人にシェアしていくという身近な営みそのものを“ジンブン”することと呼ぶ。

実践結果

参加者は「そんなところに注目するんだ!」「なるほど、そういう見方もあるね」と他者の気づきを楽しみ、自分でも再び咀嚼するという流れが自然と生まれました。教室の心理的セーフティが担保されていたことが、自由な意見出しや対話につながりました。ジンブンアトラスのおすすめ度は10点満点中8.5と高評価。一方で、「気づく」と「問いを立てる」の間には大きな隔たりがあり、そこを埋めるフレームワークの必要性が新たな課題として浮かび上がりました。

参加者の声

コメントの付け方がニコ動みたいで「SNSと同じ」というのはたしかになと思いました。
自分が書いた付箋に突っ込みがあった時の喜び。
初対面の人でもセッション、話し合いが可能である事が改めて分かった。
色々な答えが出てきて、そういう考えがあると知れて良かったです。
人文学というもの、「自分ごと」。もっと直接的にメリットがあったと感じるようなこと。
現在、企業のほしい人材は「会社の問題を自分ごとと捉えられる」という人。個性を殺す教育をずっと行われてきた日本の教育に一石を投じそう。
リラックスしていてとても良い雰囲気でした。

当日の様子

他のワークショップを見る

PAGE TOP